オタク系キャバ嬢ひかり(18):ケチな客
ひかりさん「見て見て、メイド服似合いますか?卒業式は好きな服着れるから、作ったんですよ!」
ひろし「うん、すごく似合ってるよ。」
確かに似合ってはいる。
でも、言えない。
先程送ってもらった自撮り写真で見てあるから、別に何とも思わないということを。
そして、これも言えない。
ロリコンの僕は、メイド服よりも、普段の制服姿の方が好きだということを。
それはさておき、せっかくのひかりさんとの再会だ。
ここまで来たのだから、楽しもう。
ひかりさんのドリンクを1杯オーダーし、僕はいつも通り、ひかりさんと中身のない会話を繰り広げていた。
とここで、1つの考えが頭をよぎる。
(そういえば、卒業式ってことは何か特別な注文をしないとまずいんだろうか。テレビでシャンパンタワーするキャバ嬢を見たことがあるな。あれ?あれは卒業式じゃなくて誕生日か?)
男としての見栄が出て来てしまった僕は、ひかりさんに確認することにした。
ひろし「誕生日だからシャンパンとか入れようか?」(シャンパンっていくら位するんやろか。頼む、頼まないでくれ!)
ひかりさん「う~ん、私食べるの好きだしお腹空いてるから、から揚げが食べたいです。」
ひろし「あ、そんなので良いの?いくらでも食べて良いよ(笑)」(ホッ、助かった~!)
なんてセコイ男。
モテる男なら多分、相手に確認する前にシャンパンを注文するのではないだろうか。
そういえば、合コン帝王は気分が良いときには、何でもない日なのにシャンパンを入れてたりしたなぁ。
一方でひかりさんは、なんて良い子なんだろう。
こんな記念日にから揚げって。
こういう飾らないところが魅力なんだなとは、強く感じる。
結果的にこの日のお会計は、1回延長したにも関わらず、15,000円程度。
卒業式の女の子を指名しておいて、これだけしかお金を使わない男は、キャバクラからしたら迷惑客なのだろうか?まあ、そんなことはしったこっちゃない。
ひとまず、ひかりさんとの関係を繋ぎとめるという目的を果たし、そして実際に楽しかったこともあり、僕は満足感をもってキャバクラを後にしたのだった。
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▼ひかりさん編第1話
オタク系キャバ嬢ひかり(1):傷つき、それでも生きていかなければならない
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