オタク系キャバ嬢ひかり(19):金づる
キャバクラから帰った僕は、ウイスキーが入っていたため、そのままベッドにバタンキュー。
吐き気を催すこともなく、ぐっすりと眠れた。
目覚めたのは、お昼前だった。(この日は土曜日。)
起きて早速、スマホをチェックしてみる。
ひかりさんからの連絡は、届いていない。
むう。てっきり、朝4時位に「来てくれてありがとうございました。」的なメッセージが来ているかと思ったのに。
まあ、卒業式というイベントで色々と大変だったろうし、疲れたのかもしれない。
少し寂しい気もしたが、今さらこちらから「昨日はお疲れ様」LINEを送るのもおかしい。
(ま、そのうち連絡が来るだろう。)
僕はそう考えることにして、ひとまずひかりさんのことを忘れ、いつも通りの休日を過ごした。
洗濯をして、ゲーム(ニンテンドー3DS)をして、ゴロゴロして・・・。
その日、ひかりさんからの連絡は来なかった。
(ま、ひかりさんは夜型だから、次の日起きたらLINEが来てるだろうな。)
翌朝目が覚めた僕は、スマホに手を伸ばす。
ひかりさんからのメッセージは・・・届いていなかった。
(仕事が一段落ついて、フィーバーしているのかな?今日は日曜だし、さすがに今日中には連絡が来るだろう。)
だがしかし、その日もメッセージが届くことはなかった。
翌朝目が覚めても、スマホには通知なし。
僕は少し残念な気持ちで休日を終え、思い足取りで通勤電車に揺られることになったのである。
落ち着いて考えてみよう。
これは一体どういうことなのかを。
辿り着く答えは1つしかない。
ひかりさんは僕のことを単なる客(=金づる)として見ていたのではないか。
キャバクラを引退し、もはや僕から金を引っ張る必要がなくなったため、連絡を絶った。
ヤバい。
こう考えると辻褄が合う。
というか、これしか説明がつかない。
そりゃあないよ、ひかりさん。
あれだけ長文のLINEメッセージを毎日交わした仲だったじゃないか。
ひかりさんの秘密を知ってしまってから、「テンションが下がった。」とか言って及び腰になっていたものの、ひかりさんに完全に引かれてしまうと、寂しくなるという複雑な人間の心。
僕の心に秋の冷たい風が吹きすさぶ。
だが話はここで終わりではなかった・・・。
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▼ひかりさん編第1話
オタク系キャバ嬢ひかり(1):傷つき、それでも生きていかなければならない
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