オタク系キャバ嬢ひかり(9):さよならメイドカフェ
そうこうしている間にひかりさんが喫煙所から帰って来て、また3人での会話に戻る。
結局、あまり中身のない話を続けて、1時間程でメイドカフェを切り上げることになった。
ちなみにこのメイドカフェでは、メイドさんのチェキ写真が1枚、無料でもらえる。
アルバムに、在籍しているメイドさん達の写真がいっぱい入っていて、その中から選ぶ形だ。
ひかりさんは、この日カウンターで相手をしてくれたメイドさんの写真を貰っていた。ひかりさんは嬉しそうだった。
僕も特にこだわりがなかったので、そのメイドさんの写真を指定した。写真に写っているメイドさんは、実物の1割増しくらい美人だった(笑)
写真を受け取ってお会計を済ませる。
ここはもちろん、僕の奢りだ。合コンの帝王の教育は、僕の中で生き続けている。
まさか女性とのデート(?)で、メイドさんに飲ませた分のお酒代も支払うことになるとは思わなかったが。
僕が全額支払ったことに対して、ひかりさんは予想以上に感謝してくれて驚いた。
普段自腹でメイドさんに貢いでいるので、今回も自分でお金を出すつもりだったのだろう。
「男に支払わせて当たり前」という風に考えていないところに、非常に好感が持てた。
こうして、メイドカフェ体験は終了。
一般的なメイドカフェではなかったが、普段1人だと絶対に行くことのないお店を体験することが出来て、良かったと思う。
暗い店内から外に出ると、まだ日中。
日差しがやけに眩しかった。
ひかりさんに目をやると、顔が赤くなっていた。
お店では気付かなかった。
カクテルを2杯飲んだだけだが、ひかりさんはあまりお酒は強くないようだ。
時間はまだ16時半にもなっていない。
ひかりさんが「お腹が空いた」ということだったので、ご飯が食べられる(+僕がお酒を飲める)お店を探すことにした。
歩いている途中、ひかりさんが腕を組んできた。
酔っ払っているのか!?
でも、悪い気はしない。というか、嬉しい。
ひかりさんは主観的にもそうだが、客観的に見てすごくかわいい。しかも秋葉原にいる人好みのタイプだ。
気のせいか、通り過ぎて行くオタク達の羨望の視線を感じた気がする。
途中で焼肉店を見つけ、ここにしようかと入ってみたが、20分待ちとのことで見送った。
秋葉原の焼肉屋って、そんなに需要があるものなのか・・・?
さくらさんと秋葉原をさまよったが、なかなか手頃なお店が見つからない。
16時台という、ランチにもディナーにも中途半端な時間が災いしたのかもしれない。
最終的に、僕たちは秋葉原駅近くにある東方見聞録に入った。
こんなお店でも、嫌な顔をせずに、むしろ笑顔で乗り気で入ってくれるひかりさんは、やっぱりキャバ嬢らしからぬ良い子だと思う。
こうして、まさかの東方見聞録での二次会がスタートしたのである。
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▼ひかりさん編第1話
オタク系キャバ嬢ひかり(1):傷つき、それでも生きていかなければならない
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