ペアーズの保育士めい(12):1つの嘘
翌朝、9時頃に目を覚ました僕たちは、前日の夜にコンビニで買ったパンを食べる。
この日も休みなので、まったりムードだ。
めいさんは夕方まで帰る気はないらしく、引き続き、一緒に過ごすことになった。
そしてめいさんの提案によって、なぜか「クレヨンしんちゃん」の映画を観ようということになり、TSUTAYAにDVDを借りに行った。
普段音楽を聴くこともなければ映画やドラマにも全く興味がない僕にとって、TSUTAYAに足を踏み入れたこと自体、5年以上振りだった。(大学生の頃は、一時期音楽を聴いていた時期があった。また、大学の課題で映画を英語で観てレポートを提出、というものもあった。)
ちなみにこの頃、Amazonプライム会員ではあったのだが、FireTVStickを持っていなかったこともあり、一緒にプライムビデオを観る、という発想は全くなかった。
昼食は、デリバリーピザという、どこまでも怠惰な生活。(めいさんは料理をしてくれる気は全くないようだ。僕のアパートのキッチンは狭くて、そもそも料理には適していないけれど。)
結局この日は、ひたすらダラダラと過ごした。
めいさんとは長い間LINEや電話でやり取りをしてきたからか、気を遣わずに過ごせるのが良かった。
会って2日目のデート(?)で、家の中でグダグダだらだらとビデオを観たりして過ごすことなんて、普通は考えられない。
本来は必死にオシャレなスポットやお店を探して、甘酸っぱいデートをするものだと思うのだが。
夕方、めいさんがそろそろ帰ると言い出した。
ひろし「ここからだと、どうやって帰るの?何分くらいかかるの?」
この質問に対して、めいさんの口からは驚きのセリフが飛び出した。
めいさん「実は私の家、栃木なんだ。」
・・・!
なんと、衝撃の告白。
Pairsでは、めいさんの居住地は「埼玉県」で登録されていた。
なので当然、めいさんは埼玉県に住んでいるものだと思っていたのが、まさかの栃木。
聞いてみると、「友達にバレたくないから」住所を偽って登録したらしい。
僕は女性を探すとき、「東京・神奈川・埼玉・千葉」で検索しているので、めいさんが栃木県で登録していたら、いいね!を送ることもなかった。
そう考えると、めいさんが嘘をついて登録してくれたことは、僕にとっては幸運だったのかもしれない。
確認したところ、僕の最寄駅からめいさんの最寄り駅まで1時間半以上かかる。
そして、片道5,000円弱の交通費がかかる・・・。
栃木ってやっぱり遠いんだな。
昨日の夜、めいさんが家に帰らずに僕のアパートに泊まったのも納得。
というか、あの時点で終電がなかったのかもしれない。
もしかしたら、これまでなかなか会えなかったのも、栃木在住ということが関係していたのかな?
そんなことを色々考えさせられたのだった。
—————-
▼めいさん編第一話
ペアーズの保育士めい(1):マッチングアプリ黎明期の出会い
▼めいさん編だけを絞り込む
「めい」タグ
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません