ペアーズの保育士めい(16):クズ男の告白
東部動物公園から帰宅した僕とめいさんは、僕の家の最寄りのファミレスで遅めの晩御飯を食べてから、僕のアパートに吸い込まれていった。そして、就寝。
翌朝のことだった。
突然、めいさんの話が始まった。
めいさん「ペアーズでやり取りしていた人が他にもいて、『会いたい』って言われてるけど、どう思う?ひろしは、私がその人と会っても平気?」
一体何なのだろうか、この質問は。
僕は15秒程考えた挙句、このように回答した。
ひろし「う~ん。めいが会いたいなら、会った方が良いと思う。めいにも色んな選択肢があった方が良いと思うし、それを止める権利はオレにはない。」
めいさん「そうなんだ・・・。」
めいさんはこう呟くと、クスンクスンと声を出さずに泣き始めた。
・・・。
これは・・・。
そう、実は僕にはわかっていた。
さっきの僕の回答が正しくないことを。
恐らく正解はこうだ。
ひろし「そんな男と会うのはやめてくれ。オレと正式に付き合って、オレだけを見てくれ!」
最後の一言はクサ過ぎるのでいらないけれど(笑)
要はめいさんは、正式に付き合って欲しかったのだと思う。
僕とめいさんは毎日のようにLINEでやり取りをしているし、めいさんは僕の家に泊まっているものの、実はお互いに告白をしておらず、形式上は彼氏彼女という関係性になっていない。
その状況に対して、めいさんは不安を抱いたのだろう。
いくら恋愛経験が少ない僕とはいっても、この位は察していた。
じゃあなぜあのようなクソな回答をしたのかというと、めいさんと付き合う覚悟が出来ていなかったからだ。
正直、このままめいさんと付き合っていいものか、迷っていた。
クズを承知で言うと、恐らく、めいさんのペアーズのプロフィール写真が盛られ過ぎていたため、事前にハードルが上がり過ぎており、実際に対面したときの落差によって、「付き合いたい」という気持ちが減少していた。
それにも関わらず、家に泊めたり、東武動物公園にデートに行ったりしていたのだから、これはもう、身体目的と言われても仕方のない状況だった。
とんだクズ人間だ。
結果、めいさんは泣き出してしまったのだろう。
だが泣いているめいさんを見て、さすがに僕も覚悟を決めた。
決めざるを得なかった。
ひろし「煮え切らない態度でごめん。良かったら、オレと付き合ってくれ。」
かくして、僕とめいさんは正式に交際をスタートすることになったのだった。
しかし、めいさんよ。これで良かったのか?
泣いている姿を見せるまで告白して来ないクズ男と付き合って良かったのかい・・・?
※弁解しておくと、僕は付き合いたくないというわけではなかった。でも100%乗り気にはなれていなかったという状態だった。この複雑な心理、わかって下さい。
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