東大志望JKみさき(3):夜なべ
駒場祭初日の夜ふけ、とある1Kアパートの中でせっせと作業する男の姿があった。
男の名は、ひろし。
ひろしは真剣な表情で、名刺に自分の携帯メールアドレスを書き込んでいた。
そう、実はチャンスはまだある。
残念ながら、みさきさんは逃してしまったが、「東大生に相談しよう」イベントは翌日もあるのだ。(駒場祭自体は3日間開かれるが、そのイベントは2日間行われていた。)
僕の前に第2のみさきさんが現れたとき、今度はただおろおろと立ち尽くすことはしない!
連絡先を聞くことは難しいが、終了間際に「時間少なかったし、何か他に聞きたいことあったらここに連絡して。」と名刺を渡すくらいは出来るはず。
あわよくば、「プライベートで相談に乗ってくれる優しい人」という印象を持ってもらえたり、「名刺を持っているなんて素敵」と世間知らずのJKを誘惑することも出来るかもしれない。
なんて策士なんだ、ひろしという男は!
ちなみになぜ名刺を持っているかというと、当時とあるベンチャー企業でインターンを行っていたからである。(そんな会社の名刺を利用するなんて…)
小さい名刺に長いメールアドレスを書き込むのは大変だったが、それで女子高生と付き合えると思うと大した苦労ではない。(もちろん当時はLINEなどなかった。)
翌日相談に乗る高校生は初日と同じく2名だが、僕は念のため5枚の名刺を準備した。(念のためとは一体何を考えていたのか、今となってはよくわからない。)
「よし、ばっちり!」
これで今日のような失敗はしないはず。
僕は翌日出会えるみさきさんⅡのことを夢見て、安心して眠りについた。
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