女子大生マネージャーさくら(11):会話の糸口
今日は楽しい楽しいさくらさんとのお寿司デートの日。
いや、さくらさんと付き合うことになる記念日かもしれない。
おっと、でもあくまでゴールは「手をつなぐこと」。最初の目標設定を見失ってはいけない、気を付けないと。
集合時間の30分前に新橋駅に到着した僕は、美登里寿司の偵察に向かった。
まだ18時前だというのに、店外には長い行列が出来ていた。さすがは美登里寿司。予想通りの繁盛ぶりだ。
これから美人とデート出来るという優越感からか、「こんな寒い中ご苦労ですね~」という、謎の上から目線で群衆を眺めて、僕は新橋駅にUターンした。
新橋駅に戻って携帯を確認すると、さくらさんからメールが届いていた。
さくらさん「すみません。10分程遅刻します。」
ひろし「OK!気を付けて来てね。」
そこから待つこと20分。さくらさんが新橋に降り立った。
久しぶりに見るさくらさんは、相変わらずかわいかった。
もう12月なので、かなり暖かい服装をしていた。モコモコした服に、耳当てまで付けている。さくらさんは寒がりなのだろうか?冬仕様のさくらさんもまた、良いものだ。
ひろし「新橋って普段来ないよね?」
さくらさん「そうですね、初めてです。」
そんなことを話している間にあっという間に美登里寿司に到着した。
「やっぱりすごい人だね。」などと言いつつ(事前に偵察したのでそんなことは知っていた)、僕たちは列の最後尾に加わった。
待ち時間は約1時間らしい。これは想定の範囲内。
さあ、ここからが大事だ。さくらさんとの会話を盛り上げなければいけない。
僕は早速、休日を使って頑張って準備して来た、伝家の宝刀を抜いた。
ひろし「そう言えば、アメフトと言えばアイシールド21だよね。あれ面白いよね!」
さくらさん「そうですね。部活の男子が好きって言ってます。」
ひろし(ん?と言うことは、さくらさんはあまり好きじゃないのかな・・・。)
僕がそんなことを考えた瞬間、もっと恐ろしい言葉が、さくらさんの口から発せられた。
さくらさん「私は読んだことないですけど」
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