女子大生マネージャーさくら(12):帝王の誤算

さくらさんから返って来たまさかの返答。

(え・・・。アイシールド21を読んだことがない。・・・だと!?)

カイジ「犯罪的だっ・・・!」

まさに犯罪的・・・。

アイシールド21を読まずにアメフト部のマネージャーをやることなんて許されて良いのだろうか?
陽キャ女子大生は漫画を読まずとも、アメフト部でマネージャーをやりたいと思うのだろうか?

ここでアイシールド21の話はあえなく終了となった。

僕の構想は完全に狂った。

ひとたび予定が狂うと、臨機応変に対応できないのが日本の教育の弊害だろうか。とりわけ、東大卒のエリートは突然のハプニングに弱く、打たれ弱い。

ひろし「あ、そうなんだ・・・。読んだことないんだ。」

その後の言葉が続かない。全く言葉が出て来ない。

ひろし「今日めっちゃ寒いね。・・・。」

ひろし「もうすぐお正月だね。実家に帰るの?・・・。」

ひろし「お正月と言えば箱根駅伝だね。・・・。」


絞り出す言葉は揃いも揃って面白みがなく、盛り上がりのないものばかり。悲惨だった。

途中、空気に耐えかねたのか、さくらさんは「トイレに行ってきます。」と言って近くのコンビニに消えていった。さくらさんが席を外してくれて、僕も少しホッとしたのが本音だ。

10分後ぐらいにさくらさんは帰って来て、再び気まずい待ち時間が再開される。(でも、バックレられなくて良かった。その位、空気は重かった。)

今思い返すと、帝王はこう言っていた。

帝王「(美登里寿司は)待ち時間が1時間くらいあるから、その間に女の子と仲良くなれるんだよ!」

これは、帝王の話術があって成り立つ話だったのだな・・・。

帝王の誤算。

それは僕が予想以上に会話力のない人間だったということ。

帝王に合コンを開いてもらったり色々教えてもらって以前よりは改善していたつもりだったが、帝王の想定ほどは成長出来ていなかったようだ。

気まずい空気に耐えるのもそろそろ限界というところで、神の助けが入った。

「2名でお待ちのひろし様~」

本当に助かった。店に入ってお寿司を目にすれば、なんとか会話出来るだろう。

そんな期待を胸に、僕は美登里寿司の暖簾をくぐった。


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