女子大生マネージャーさくら(8):スシ食いねェ!
僕はとてもヘコんでいた。
自分の不甲斐なさに大きなダメージを受けていた。
(次のデートを取りつけることも出来ないなんて。もうさくらさんとはおしまいだな・・・。)
こんなときに相談する相手はもちろん、合コン帝王しかいない。
翌週の土曜日、飽きもせず帝王の家で缶チューハイを片手に、僕は帝王に相談していた。(泣きついていた。)
ひろし「ごめん、あれだけお膳立てしてもらったのに、オレは力不足だった。申し訳ない。」
帝王「待て待て、落ち着けひろし。まだ完全に終わったわけじゃないんだろ?その後メールしていないのか?」
ひろし「一応、ありがとうメールは送ったけど・・・。」
帝王「ちょっと見せてみろ。」
(・・・)
帝王「別に反応悪くないじゃないか。楽しかった、って書いてあるし。」
ひろし「いや、それは社交辞令として誰でも言うんじゃ…」
帝王「いや、この反応なら社交辞令じゃない。問題ない。」
帝王がそう言うのなら、間違いなくそうなのだろう。少なく見積もっても僕の2千倍以上は恋愛経験が豊富な男なのだから。おかげで少し希望が持てた。
ひろし「で、これからどうしたら良いんだろう?」
帝王「またデートに誘うしかないんじゃねーの?」
ひろし「なるほど・・・。で、どこに誘ったら良いんだろう?」
こうして振り返ってみると、情けない男である。帝王もよく愛想を尽かさずに付き合ってくれたものだ。
帝王「寿司なんか良いかもな。」
なんと、今度はお寿司!
焼肉→すき焼き→お寿司とは、なんとも豪勢な…。
だが、帝王も何の理由もなく寿司を提案したわけではない。
帝王「オレがたまに使う戦略で、おススメのお店があるんだよ。」
ここで帝王が教えてくれたお店は、「美登里寿司 銀座店」。
銀座のコリドー街にあるお店で、職場に近いので僕も良く知っている。ランチタイムにもディナータイムにもいつも店外に大行列が出来ている人気店だ。外国人観光客も多い。
帝王が勧める理由はざっくり次の通り。
・「おまかせにぎり」だとメニューを考えずにすむ上、3000円くらいで食べられる
・そのうえ美味しくて、コスパが非常に高い
・待ち時間の会話で、女性と仲良くなることができる
ここまで言ってくれれば、乗るしかない。
僕はお酒の勢いと帝王の知恵を借りつつ、さくらさんに誘いのメールを送った。
ひろし「会社の近くで行ってみたい寿司屋があるんだけど、一緒に行かない?」
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