ガッキー似美人教師さゆり(34):告白

渋谷駅に到着するまでの間、僕はさゆりさんとの会話そっちのけで、告白できる場所を必死に探していた。どこか、ムードの良いオシャレなスポットはないか?

しかし渋谷の路上にそんなエリアが存在するはずもなく、気付けばあっという間に駅に到着。
(このままだとまた何も出来ずに帰ってしまう。ヤバいヤバいヤバい!)

さゆりさんと立ち話をしながらも、僕の頭の中はパニック状態だった。

そんな僕の気持ちを知る由もないさゆりさんは、別れの挨拶もそこそこに、電車に乗るため、その場を離れようとした。


さゆりさん「今日はありがとうございました。それじゃあ。」

ひろし「あっ、待って!」


このまま帰してはいけないと感じた僕は思わず、そう声を掛けてしまった。
さゆりさんは駅に向かいかけた足を止め、不思議そうな顔で僕を見ている。

(う、勢いで呼び止めてしまったけど、どうしよう。・・・もうこうなったら言ってやる!)


ひろし「オレ、さゆりさんのこと好きだから、これからも誘って良いかな?」


これが、ひろし人生初の告白。

小中高と、部活と勉強に明け暮れ女性とは無縁だった人生。
大学生になって女性を意識し始め、自分が女性恐怖症だとわかった人生。
友達(ほとんど帝王)に合コンに連れていってもらい、少しずつ女性の目を見て話せるようになった人生。

勇気が足りず、「付き合って」と言えなかったが、それでも「好き」という気持ちを伝えることが出来たのだから、僕としては頑張った方だと思う。


後はさゆりさんの気持ち次第だ。

さゆりさんの返答を待つ、数秒の沈黙。

(ドキドキ)

(ドキドキ)

(ドキドキ)

そして、ついにさゆりさんが口を開いた。


さゆりさん「それって私の気持ち関係なくですか?」

・・・

・・・

・・・

ひろし「・・・え!?」


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