ガッキー似美人教師さゆり(6):ひろしのセンス

僕はさゆりさんに喜んでもらえるお店を必死に探した。
「六本木 居酒屋 おしゃれ」という検索ワードにヒットするお店を片っ端から覗いていく。

最初に目をつけたのは「京風居酒屋」。
店内の内装が京都をモチーフにしており、京風の橋や花があしらわれていて、僕的には華やかでとてもオシャレに感じられた。

早速こちらで予約しようとしたのだが・・・、残念なことに当日の席が空いていなかった・・・。
残念過ぎる。

その後もオシャレそうなお店を覗いてみるが、さすがに土曜日の夜というのは日が悪いようで、なかなか席が空いていない。

途方に暮れた僕だが、お店を準備しないわけにはいかない。
諦めずに条件を色々変えつつ、六本木の居酒屋を調べていく。

そんな中、1店のお店が僕の目に留まった。
そのお店とは・・・。


「忍者居酒屋」


このお店は文字通り、「忍者」をコンセプトとしている。

・店員が忍者の恰好をしている
・忍者屋敷のような仕掛けがある(例えば、店員が隠し扉から現れる)

※現在、このお店は閉店しているようで、調べても見つけられませんでした。

(これだっ!)

見た瞬間、ビビッと来た。
幸い、席も空いている。

僕は速攻でお店を予約した。合コン帝王に相談することもなく。

・・・。

今思うと、付き合う前の、好きな女の子との飲み会に忍者屋敷を選ぶというのはあり得ないと思う。

いきなりネタに走るのはさすがに危険すぎる。
相手にウケるかどうかもわからないし、仮にウケたとしてもムードも何もない。

これがゲームのパワプロ(実況パワフルプロ野球)のデートイベントだったら、確実に「センス×」が付くところだ。

だけど、当時の僕にはそれがわからなかったのだ。
なんせ女性と付き合ったことはおろか、2人でデートしたことすらなかったのだから・・・。

こうして、さゆりさんとの飲み会の場所は決まった。
(さゆりさんには六本木駅で集合する約束をしたため、お店がどこかは伝えていない。)

後日合コン帝王にはダメ出しを食らったが、とにもかくにも、後は飲み会当日を待つだけとなった。


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