ネットで逆ナン!?JKキキ(8):馬鹿野郎
僕はキキさんから教えてもらった携帯メールアドレスをメモるため、チャットの履歴を遡った。
スクロールしていくが、なかなか見つからない。
と!1時間分ほどの会話を遡ったところで、スクロールバーが上に動かせなくなった。
どう頑張っても、それ以上前の会話を表示することが出来ない。
そう、エンジェルラブオンラインのチャット履歴には制限があり、一定回数以前の会話は消えてしまうのだった。
(そんなばかな・・・。)
これまでキキさんとはどうでも良い話ばかりしていたから、チャット履歴を遡ったことなんてなかった。まさか、そんな制限があるなんて・・・。
こうして、僕はキキさんが教えてくれたメールアドレスを紛失した。
とんだ失態である。
その日の夜、僕はエンジェルラブオンラインにログインした。
翌朝まで1人でレベル上げをしてみたが、キキさんは現れなかった。
次の日も、僕はエンジェルラブオンラインに入った。
日が変わるくらいまでウロウロしてみたが、やっぱりキキさんは現れなかった。
それからもちょくちょくエンジェルラブオンラインをやっては見るものの、キキさんがログインしている形跡は全くない。
一縷の望みをかけてキキさんに「ごめん!この前のメールアドレス履歴から消えちゃった。もし見てたらもう一度教えて。」というメッセージを送ったが(もちろんゲーム上で)、返信は返って来なかった。
宣言通りに、キキさんはエンジェルラブオンラインを辞めてしまったようだ。
僕はキキさんとの連絡手段を完全に失った。
それからは、次第にエンジェルラブオンラインに足が向かなくなっていった。
キキさん抜きで1人で遊ぶエンジェルラブオンラインは、もはやつまらないゲームと化してしまった。
冬休みが終わって学校が再開したこともあってか、僕はエンジェルラブオンラインを完全に辞めてしまった。
10年以上経った今では、エンジェルラブオンラインのログイン情報もわからなくなっている。(恐らく、プロバイダメールで登録していたため、再設定も不可能だと思われる。)
それにしても、僕は昔からこういうところがある。
チャンスが目の前に転がっていても、ボーっとしている間にそれを逃してしまう。
運が悪いのか、要領が悪いのか、頭が悪いのか。
今回はせっかく女子高生と仲良くなれたのに。しかも、お互いに顔を知らない状態で意気投合出来たということは、性格的な相性がすごく良かったということだ。
メールアドレスを交換してやり取りしていれば、今頃結婚していたかもなぁ。
覆水盆に返らず。
この1件での教訓。
・オンラインゲームのチャット履歴には制限がある
・ぼんやりしているとチャンスを逃してしまう。良いことがあったときでも落とし穴がないか注意!
(完)
—————-
▼キキさん編第1話
ネットで逆ナン!?JKキキ(1):オンラインゲーム
▼キキ編だけを絞り込む
「キキ」タグ
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません