女子高生コンビニ店員あすか(7):泥棒
-200X年某日-
都内のとあるコンビニの防犯カメラは、バックヤードで、こそこそと動き回る怪しい男の姿を捉えていた。
その男の名は、もちろんひろし。
ゴソゴソと書類を物色している。
見つけた!あすかさんの携帯電話の番号だ!
こうして、ひろしの泥棒行為は無事に完遂された。
盗み出したのは女子高生の個人情報である。
説明すると、僕が働いていたコンビニでは、アルバイト店員全員の携帯電話番号がまとめられていた。
もちろん、コンビニ側からバイトに携帯電話を支給するわけはなく、私用の携帯電話である。
「ここに各人の携帯番号があるから、シフトを代わってもらう場合は自分で交代要員を見つけてね。」というスタンスだったのだ。
これ、今も同じ形式なのだろうか?
個人情報うんぬんと叫ばれている今の時代に、携帯電話番号が簡単にわかってしまうのは許されるのだろうか?
現在はわからないが、とにかく、当時の僕のお店はこういう仕組みだった。
なので僕の行為も、建前上は、「アルバイトのシフトに入れなくなって、交代要員を探すために、同僚の連絡先を調べた。」という合法なものである。もちろん、バイトの休憩中に行っていた。
(僕のように不純な動機で女子高生の連絡先を手に入れるのは、今も昔もアウトだと思います。口実は「バイト代わって。」ですが。)
こうして、僕はあすかさんの連絡先をゲットしたのである。
いや~、怖い。当時はストーカーに対する認識も甘かったのでしょうね。
さて、準備は整った。あとはチャラ男の指示通りに動くだけだ。
・あすかさんに電話をかけ、シフトを代わってもらう
・そのお礼に、ご飯に誘う
たったこれだけのことだが、僕にとっては富士山より高いハードルだった。
僕はそれまで一度も、女性と電話したことがない。
いや、正確には小学校のときに連絡網を回すために電話したことがあったかもしれない。
だが、プライベートで女性に電話を掛けることなんて、全くなかった。
むしろ、メールすら送った記憶がない。
「今日こそ電話をしよう。」と思うが、やはり緊張して掛けられない。
番号をダイヤルするが、途中でビビってキャンセルしてしまう。
そんなことを2、3日繰り返していた・・・。
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