オタク系キャバ嬢ひかり(22):元キャバ嬢の再就職先
返信は思ったより早く届いた。
と言っても、3日後だが。
ひかりさん「こんばんは!超元気です!最近コスプレキャバクラで働き始めました」
ひかりさん「ハロウィンイベントでコスプレしてテンション上がりました!」
ひかりさん「(自撮り)」
ひかりさん「ひろしさんは元気にしていますか!?」
本当にテンションが上がっているのだろう。
怒涛の連続メッセージに自撮りのコスプレ写真まで添えられている。
なお、何のコスプレなのかは僕にはわからなかった。
このメールを見た感想。
(やっぱりまたキャバクラで働くのか・・・。)
・・・何だろう。この少し残念な気持ちは。
キャバクラを卒業したひかりさんには、普通の職場で働いて欲しかった。
“普通の"という言い方は失礼かもしれない。
でも、そう感じたのが事実。
僕はキャバクラ・キャバ嬢を見下しているつもりはない。(ないつもりだ。)
それどころか、大変お世話になっているし、ひかりさんにもどれだけ元気を貰ったことか。
キャバクラは重要かつ大変な仕事だとも思う。
だが、仮に結婚出来るとして、親や知り合いに「結婚相手の職業はキャバ嬢だよ!」とは言えないのもまた事実。
ひかりさんがまたキャバクラで働き始めたと聞き、「彼女は一生キャバ嬢として働くのだろうか。」と思うと、気持ちが沈んでしまった。
我ながら、話が飛躍している上にかなり拗らせている思考だと思うけれども。
(諸々考えると、「就職までのお小遣い稼ぎにキャバクラでバイトしている女子大生」というのが、僕にとっては、結婚を夢見させてもらえる相手として最高だと思う(笑))
それと同時に、これはキャバクラの営業なのかな?という気持ちも生じてしまった。
このままやり取りを続けると、「ぜひ、新しいキャバクラの方にも遊びに来てください。」という展開になるのは、火を見るよりも明らかだ。
正直、もはやひかりさんに会うためにキャバクラに通い、お金を使う程のモチベーションはない。
普通に遊びに行くかどうかも、悩んでしまうレベルだ。
僕は返信を躊躇した。
とりあえず、すぐには返さず、自分の心の中の"リトルひろし"が語りかけてくるまで様子を見よう。
1日経過。
2日経過。
1週間経過。
2週間経過。
僕は次第に、ひかりさんのことを意識せずに生活するようになっていたのだった・・・。
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▼ひかりさん編第1話
オタク系キャバ嬢ひかり(1):傷つき、それでも生きていかなければならない
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