オタク系キャバ嬢ひかり(8):気まずい三角関係
ひかりさんとメイドさんは楽しそうに会話を続けている。
ひかりさん「お姉さん、めっちゃかわいいですね!」
メイドさん「いえ、そんなことないですよ~。てか、お客さんこそ、すごくかわいい。めっちゃ顔ちっちゃい~」
相変わらず、僕の目の前で茶番劇が繰り広げられていた。
と、ここでいきなりひかりさんが僕に振って来た。
ひかりさん「ねっ、(メイドさん)めっちゃかわいいですよね!」
ひろし「っ!?そ、そうだね。すごくかわいい。」
一瞬「ひかりさんの方がかわいいよ。」というべきかと思ったが、そんなセリフを吐く勇気はなかった。
メイドさんが目の前にいるのにそんなことを言ったら、「なんだ、このキモ客は!?」と思われること必至。
事実、そのメイドさんはかわいかったことは間違いない。
あとから聞いたところ、高校生とのことだった!
メイドカフェって女子高生も働けるんだな・・・。
恐らく、ひかりさんと一緒でなければ、僕はそのメイドに惚れていただろう。
途中、ひかりさんが席を立った。
ひかりさん「ちょっとタバコ吸って来ますね。」
ひろし「うん、いってらっしゃい。」
・・・。
やっぱり、ひかりさんは「タバコを吸う」ということを全く悪いことと思っていないのだな。
まあ良いや。
ひかりさんがいなくなると、途端に僕とメイドさんの間が気まずくなる。
相手はそうは感じていないかもしれなかったが、僕は何を話して良いのかわからない。
と、メイドさんが口を開いた。
メイドさん「お二人は友達ですか?」
ひろし「え、えぇ。まあそんな感じです。」
言えない。
キャバクラの客とキャバ嬢だなんて。
先週初めて会ったばかりだなんて。
メイドさんは納得したのかどうかわからない。
実際、敬語でよそよそしく話す二人を見てどう感じたのだろうか?
僕は見た目20代と間違われることが多いので、それほど不自然には見えていなかったと信じているが。
この質問が、ひかりさん不在のタイミングで出て来たことが救いだった。
ひかりさんが目の前にいるときに聞かれたら、何と答えて良いかわからなかった。
逆にひかりさんなら、何と言ったのだろう。
さすがに本当のことは言わなかったと思うが・・・。
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▼ひかりさん編第1話
オタク系キャバ嬢ひかり(1):傷つき、それでも生きていかなければならない
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