オタク系キャバ嬢ひかり(3):波に乗る男
キャバクラ店を後にした僕たちは、ホテルに向かった。
実は帝王はこの日、終電がなくなるまで遊ぶ予定でホテルの1室を押さえてあった。
やることが豪快過ぎる。
もちろん僕は終電までに帰るつもりだったので、ホテルの予約なんてしていない。
そして、ホテルに泊まる程リッチでもない。泊まるとしてもネットカフェが関の山だ。
結果。
・・・。
僕は帝王のホテルに転がり込むことになった。
近くのコンビニで缶チューハイとおつまみを購入し、2人でホテルに入る。
シャワーを浴びることもなく、2人で軽く宴会の続きだ。
僕は上機嫌だった。
ひろし「いや~、今日は色々とありがとう。」
帝王「おう。ちょっとは気が晴れたか。」
ひろし「おかげさまで。最後のひかりちゃんがめっちゃかわいかった。」
帝王「結構しゃべれてたじゃないか。」
ひろし「うん、LINEも交換出来たし、最高。」
帝王「良かったな。まあちょっと整形っぽかったけどな。」
帝王がこんな負け惜しみを言うということは、帝王の目から見てもひかりさんはかわいかったということだろう。そんなコと仲良く出来る可能性が出て来たことは本当に嬉しい。
寝る前に、僕はひかりさんにLINEを送った。
ひろし「さっきはありがとう!メイドカフェ、絶対行こうね!」
と、1分も経たないうちにひかりさんからの返信が届いた。
ひかりさん「ひろしさん!私も漫画とか好きなので色々語りたいです。先ほどはご馳走様でした!すごく楽しかったし、仲良くなりたいです。」
ひかりさん「と送ろうと思ってたらLINEをいただけてすごく嬉しいです。絶対行きたい!
〇日、△日、□日とかいかがですか??」
こ、これは。
ひかりさんの反応を見るに、相当好意的な内容に見える。
向こうから日程の候補を出してくれる時点で、僕の恋愛知識上は、脈ありだ。
その後数回のLINEのやり取りを経て、□日(土曜日)の15時に秋葉原で決定した。
まさか、当日中に日時を確定するところまで持っていけるとは。
信じられない程、順調。
僕はニヤニヤしながら、ホテルの床に転がって、眠りについたのだった。
翌朝。
軽くシャワーを浴びた後、ホテルを発つ。
男2人でチェックアウトする様子を見て、ホテルのフロントマンは何を思っただろう。
しかしそこは相手もプロ。
「ゆうべは おたのしみでしたね。」
こんなセリフを吐くことはなかった。
帝王と朝食を食べた後、僕は早朝の電車に揺られながら帰宅の途に着いた。
今後が楽しみで仕方ない。
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▼ひかりさん編第1話
オタク系キャバ嬢ひかり(1):傷つき、それでも生きていかなければならない
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