オタク系キャバ嬢ひかり(5):知りたくなかった事実

2020年9月8日

軽い昼食を食べた僕は、シャワーを浴びる。

いつもより丁寧に体を洗い、入念に身だしなみを整えた。髪型のセットには気を遣う。

準備が整ったところで、待合せ時間の15時に間に合うように、14時過ぎにアパートを出た。

電車に揺られること数10分、秋葉原駅が近付くにつれて、僕の緊張感も高まっていく。

と、あと2駅で秋葉原に到着するというタイミングで、ひかりさんからのLINEメッセージが届いた。


(ん?どうしたんだろう。)

午前中もやりとりしていたので、さすがにドタキャンはないと思う。

でも、急な体調不良などのケースの場合は、キャンセルになっても仕方ない。

ほんの少々緊張しながら、僕はLINEを開いた。


ひかりさん「タバコ吸いたくてカフェに入っているので、着いたら教えて下さい♪」


ほう・・・。

このメッセージを見て、僕が真っ先に気になったところはこれ。

タバコ吸いたくて

・・・。

ひかりさん、たばこ吸うんだ。

このとき、僕の中でひかりさんへの気持ちが少しトーンダウンするのを感じた。

ワンピース的に言うと、ギア3(サード)からギア2(セカンド)にダウンしたイメージ。

実はこのときが、「どんなに好みの女性でも、たばこを吸うと評価が下がる。」という、自分の気持ちに初めて気付いた瞬間だった。

文面から察するに、ひかりさんは、タバコを吸うことを悪いことだとは捉えていないようだ。

あるいは、「僕のことを恋愛対象と見ていないから、評価が下がっても気にしない。」という可能性もなくはない。

が、正直それはないと思う。

自惚れではなく、僕はひかりさんから好意を持たれていたはずだから。(証拠はない)

ひかりさんがタバコを吸うことは知りたくなかった・・・。

とはいえ、僕はまだギア2(セカンド)の状態だ。

ひかりさんへの気持ちはまだ残っている。

これからさらに仲を深めれば、タバコなんて気にならなくなるかもしれない。

あるいは、付き合ってから頼めば、禁煙してくれるかもしれない。

僕はひかりさんに返信を送った。


ひろし「了解!着いたら連絡する(^^)」


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▼ひかりさん編第1話
オタク系キャバ嬢ひかり(1):傷つき、それでも生きていかなければならない
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