オタク系キャバ嬢ひかり(5):知りたくなかった事実
軽い昼食を食べた僕は、シャワーを浴びる。
いつもより丁寧に体を洗い、入念に身だしなみを整えた。髪型のセットには気を遣う。
準備が整ったところで、待合せ時間の15時に間に合うように、14時過ぎにアパートを出た。
電車に揺られること数10分、秋葉原駅が近付くにつれて、僕の緊張感も高まっていく。
と、あと2駅で秋葉原に到着するというタイミングで、ひかりさんからのLINEメッセージが届いた。
(ん?どうしたんだろう。)
午前中もやりとりしていたので、さすがにドタキャンはないと思う。
でも、急な体調不良などのケースの場合は、キャンセルになっても仕方ない。
ほんの少々緊張しながら、僕はLINEを開いた。
ひかりさん「タバコ吸いたくてカフェに入っているので、着いたら教えて下さい♪」
ほう・・・。
このメッセージを見て、僕が真っ先に気になったところはこれ。
“タバコ吸いたくて“
・・・。
ひかりさん、たばこ吸うんだ。
このとき、僕の中でひかりさんへの気持ちが少しトーンダウンするのを感じた。
ワンピース的に言うと、ギア3(サード)からギア2(セカンド)にダウンしたイメージ。
実はこのときが、「どんなに好みの女性でも、たばこを吸うと評価が下がる。」という、自分の気持ちに初めて気付いた瞬間だった。
文面から察するに、ひかりさんは、タバコを吸うことを悪いことだとは捉えていないようだ。
あるいは、「僕のことを恋愛対象と見ていないから、評価が下がっても気にしない。」という可能性もなくはない。
が、正直それはないと思う。
自惚れではなく、僕はひかりさんから好意を持たれていたはずだから。(証拠はない)
ひかりさんがタバコを吸うことは知りたくなかった・・・。
とはいえ、僕はまだギア2(セカンド)の状態だ。
ひかりさんへの気持ちはまだ残っている。
これからさらに仲を深めれば、タバコなんて気にならなくなるかもしれない。
あるいは、付き合ってから頼めば、禁煙してくれるかもしれない。
僕はひかりさんに返信を送った。
ひろし「了解!着いたら連絡する(^^)」
—————-
▼ひかりさん編第1話
オタク系キャバ嬢ひかり(1):傷つき、それでも生きていかなければならない
▼ひかりさん編だけを絞り込む
「ひかり」タグ
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません