オタク系キャバ嬢ひかり(17):長考の果てに
ひかりさんからLINEをもらってから約1時間後の22時30分。
僕は、とある繁華街のキャバクラ店内にいた・・・。
そう、結局ひかりさんの営業LINEにまんまと引っ掛かる形になってしまったのだ。
僕の中で、ひかりさんとどういう関係を構築したいのかという答えは出ていなかった。
答えが出ないということは、今後、「やっぱりひかりさんと付き合いたい」となる可能性がある。
そのときのことを考えると、ここで数万円をケチってひかりさんとの仲を後退させるよりも、キャバクラに通って評価を上げておいた方が得策だろう。
運とタイミングが重なって、せっかくここまで築き上げた関係を無にするわけにはいかなかった。
婚約破棄されて以来、同伴とは言え、僕とデートをしてくれた女性なんて、ひかりさんしかいなかったのだから。しかも、(整形しているとは言え、)めっちゃ好みでかわいい。
ここを逃すと、次にこんなチャンスが訪れるのはいつか全くわからない。
僕の思考回路はこんな感じ。
入り口で黒服にひかりさんの指名を伝えてあるが、テーブルに着いてからしばらく待たされていた。
やはり、"卒業式"とあって、ひかりさんに会いに来ている他のお客さんもいるようだ。
別に悪い気分ではない。
逆に、ひかりさんがお茶を引く(お客さんが来なくて暇であること)状態でなくて安心した。
卒業式なのにそんな状況になっていたら、可哀想過ぎる。
そんな謎の上から思考で、ボーイさんが作ってくれたウイスキーをチビチビ飲みながら待つこと数分。
黒服「〇卓様、ひかりさんご案内で~す。」
いつも通りの黒服の案内とともに、ひかりさんが僕のテーブルにやって来た。
ひかりさん「来てくれたんですね!ありがとうございます。」
ひろし「まあ、卒業式だからね。誘ってくれたし、せっかくだから来たよ!」
ここに来るまで、僕の中で長い葛藤があったことは決して言わない。
こうして約1ヶ月ぶりに、ひかりさんと再会することになった。
前回最後に会ったのと同じ場所(キャバクラ)で・・・。
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▼ひかりさん編第1話
オタク系キャバ嬢ひかり(1):傷つき、それでも生きていかなければならない
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