オタク系キャバ嬢ひかり(7):メイドカフェ?ガールズバー?

2020年9月26日

そのお店は、僕の持つメイドカフェのイメージとは大きく異なるものだった。

僕のイメージは、喫茶店。(メイド喫茶とも言いますしね。)

でもそのお店はバーのようだった。

テーブル席ではなく、カウンター席がメインだ。

カウンターの中でメイド服を着た女性達が客の相手をしている。

(こんなメイドカフェがあるんだ・・・。)

僕はひかりさんと隣り合わせに座った。(カウンター席なので当たり前だが。)

まずはメニューを見る。

高い。

カクテル1杯で1,000円ぐらいする。

まあ、メイドカフェのメニューはぼったくり価格って聞くしな。仕方ない。

ひかりさんにケチと思われるわけにはいかないので、僕は眉1つ動かさずに、カクテルを注文した。

ひかりさんも別のカクテルを注文した。

「何か食べる?」と聞いてはみたが、ひかりさんは遠慮したのか、最終的にナッツだけ頼むことになった。

メイドさんに注文すると、そのメイドさんは厨房に引っ込んでいった。

どうやら、このお店ではメイドが自分で料理やドリンクを作るらしい。

料理といっても軽食だが、それにしてもなかなか大変そうだ。

メイドが作る料理は、オムライスにケチャップで絵を描くぐらいだと思っていた。

しばらくして、メイドさんがカクテルを運んで来てくれた。

小さい。すぐに飲み終わってしまいそうだ。

そんなことを考えながら、ひとまずひかりさんと乾杯。

量は少なかったが、味はおいしかった。

だけど一気に飲んでしまうとお金がかかるので、半分くらい飲んで一度グラスを置く。

さて。

ここからが困った。

僕の左隣にはひかりさんがいる。

一方で目の前にはメイドさんがいる。

このお店ではカウンター越しにメイドさんと話が出来るようだ。

客が少ないこともあり、僕たち1組に1人のメイドさんが付いてくれている状態になっている。

本来のメイドカフェ利用客からするとすごく嬉しい状況なのだろうが、僕は今日は、ひかりさんと話したい。そして、ひかりさんを口説くような会話をする場合、メイドさんに話を聞かれるのは恥ずかしい。

(どうしたもんか・・・)

そんなことを考えていると、ひかりさんはメイドと楽しそうに会話を始めた。


ひかりさん「前にいた○○ちゃんって、お店変わっちゃったんですか?」

メイド「○○ちゃんですか?そうなんですよ。」

ひかりさん「どこに行ったか知ってますか?色んなお店探したんですけど見つからなくて。」

メイド「すみません。わからないです。」

メイド「あっ、お客さんもしかして、前に○○ちゃんにめっちゃドリンク入れてた人ですか?」

ひかりさん「あっ、それ多分私です。」

メイド「女の子でドリンク入れる人珍しいから憶えてます~。」

ひろし「・・・。」

なんじゃ、こりゃ(笑)

ま、まあひかりさんが楽しそうでよかった。


メイド「私もドリンクいただいて良いですか?」

ひかりさん「え~。・・・良いですよ!」

ひろし「・・・」

なんだ、このお店はメイドカフェというより、ガールズバーみたいなものか。


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▼ひかりさん編第1話
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