空手女子高生るな(10):自撮りする男
空手教室が始まる前、るなちゃんから話かけられた。
るなちゃん「この前の話、オッケーだったよ!」
ひろし「??」
るなちゃん「ほら、友達紹介するっていう話。」
(ああ、そのことか。るなちゃん、本当に動いてくれたんだ。良い子だな~)
携帯に写っている写真も見せてもらった。
だが、記憶にない。
きっとかわいい子だったのだと思う。
でも、僕にはるなちゃんしか見えていなかった。
そんな気持ちを他所に、るなちゃんは話を進める。
るなちゃん「でね、まずは写メを送って欲しいって!」
なんと!そんな条件を付けてくるとは・・・。
僕は決して不細工ではない。
と、自分では思っている。
だが、女子高生に写メを送るなんて、なんと勇気のいることだろう。
写真を見て、「マジキモイ!ウケる!!」なんて言われないだろうか。
いや、るなちゃんは僕を見た上で紹介してくれたのだから、
そこまで酷いことにはならないはず・・・。
その日の夜。
アパートの1室で、必死に自撮りしまくる男の姿があった。
真顔。笑顔。
正面から。斜め上から。
色々撮っては見たが、どうにもしっくり来ない。
当時は、カメラアプリなどない時代だ。というか、スマホすら出回っていなかった。
普段見慣れている顔でも、カメラを通して静止画だと、
すごくイケていないように見える。
だが、あまり時間に余裕はない。
「頑張って何枚も撮り直してるんだろうな~」と、るなちゃんに思われたくない。
そこそこで切り上げてるなちゃんにメールを送る。
ひろし「こんな写真しか撮れなかったけど、大丈夫かな?」
るなちゃん「良いんじゃない?かわいいよ笑」
なんとか、その日のミッションは完了した。
他の女の子を紹介してもらうために、好きな女の子に自撮り写真を送る。
僕は一体何をやっているのだろう・・・。
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