空手女子高生るな(22):聞けない真相 [エピローグ]
時間は午前0時48分。
僕がベッドで漫画を読んでいると、スマホがブルっと震えた。
僕は腹筋を使って光の速さで起き上がり、スマホを覗く。
ビンゴ!!
るなちゃんから返信メッセージが届いた。
やった!!
メッセージを送った僕の判断は間違っていなかった。
僕は歓喜に打ち震えた。
でも、それから30分。僕はメッセージを開けなかった。
どんな内容が書いてあるか、見るのが怖かったからだ。
だが、いつまでもスマホとにらめっこしていても何も始まらない。
えぇーい、ままよ!
僕はメッセージをタップした。
るなちゃん「お久しぶりです!お元気ですか?」
おお、あっさり(笑)
でも、疑問形で返してくれている!
僕が読んだ恋愛ハウツー本には「最後は疑問形で終わらせなさい。」って書いてあったぞ。
るなちゃんは一応、会話を続けようとしてくれている。
さすが、コミュ力のるなちゃん。ありがたい。
早速僕は返信を送り、何通か会話のキャッチボールを行った。
「7年振りだね。」
「今何してるの?」
「オレは仕事忙しくてねぇ。」
会話は続けているが、やはり7年のブランクは大きく、当たり障りのない、表面的な会話ばかり。
そんな中、僕の頭に浮かんでくる言葉。
「あのとき、どうして突然空手に来なくなったの?」
・・・
結局、聞けなかった。
真相を知るのが怖い。
るなちゃんも、その話題には一切触れて来ない。
ここで余計なことをして過去をぶり返し、
Facebookのメッセージさえ続けられなくなる方が嫌だった。
もう一度、ゼロから始めよう。僕はそう思った。
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