空手女子高生るな(23):見逃し三振 [エピローグ]

過去の話には触れられないものの、るなちゃんとは細々とメッセージを続けていた。

そんな中で、思いもよらぬ良い流れが・・・。


ひろし「オレももう20代後半だよ。」

るなちゃん「すごい!お互い年取っちゃいましたね。老けるのイヤだ~。」

ひろし「そっちはまだ若いじゃん。オレの周りなんか、どんどん結婚しちゃってて焦る。」

るなちゃん「合コンならいつでもセッティングしますよ。就活終えた友達が開けってうるさくて。」



なにっ!?

るなちゃんが合コンを開いてくれる!?

え?これって、るなちゃんに会えるってこと!?

あれだけ、会いたくても会えなかったるなちゃんに、こんなにあっさり会える?


このるなちゃんからのメッセージに対する僕の返信。


ひろし「女子大生と合コンかぁ。でもオレ、人見知りだからな。」



・・は!?

何だこの返信は。ふざけてんのか。

今の僕がこの場にいたら、昔の僕をぶん殴ってやりたい。

僕は自分から、るなちゃんに会えるチャンスを逃したのだ。



理由は一つ。

自分に自信がなかったから。

成長したるなちゃんとひさしぶりに会ったとき、
「こんな魅力のない男だったのか。」と思われたくない。

ましてや合コンだ。
るなちゃんが友達に「るなの開いた合コンの相手、最悪だったね。」と
言われる姿を想像するだけで恐ろしい。

それに、もしかしたら合コンの場で、過去の話になるかもしれない。
「昔文化祭でストーカーされて、疎遠になったんだ。」なんて暴露されたら、
僕の心は耐えられない。

当時の僕の力量から考えると、この判断は致し方なかったと思う。

そう思うしかない。


結局その後、るなちゃんは合コンに触れて来なかった。

そして段々、僕に対する返信の頻度が減って来た。


会話をしているが、途中でるなちゃんから返信を切る。
   ↓
数か月ぶりに僕がメッセージを送る
   ↓
るなちゃんから返信が来る
   ↓
会話をしているが、途中でるなちゃんから返信を切る。
   ↓
エンドレス


さすがに僕の心も折れ、次第にメッセージを送ることもなくなっていった・・・。


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空手女子高生るな(1):中二病
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