空手女子高生るな(17):勘違いするブス

残された僕は、時間を持て余した。

ブラブラと学校内の敷地を歩き回ってみたが、20分もすればやることがなくなってしまう。
1人で教室を覗く元気もない。

仕方なく僕は、噴水のある中庭で壁に持たれかけながら、携帯電話をいじっていた。

そのとき、いきなり声を掛けられた。



?「ひろし、こんなところで何やってんの?」


驚いて顔を上げると、そこには、るなちゃんがいた。
友達と一緒だ。二人で歩いていたところ、たまたま僕を見つけたらしい。

あまりにも突然のるなちゃん。
心の準備が全く出来ていなかった僕は、かなり焦った。


るなちゃん「え・・・、もしかして一人で来たの?」

ひろし「い、いや。友達と来てたんだけど先に帰っちゃって・・・。」

(ヤバい。なんか悪い方に解釈されてるかもしれない・・・。)


追い打ちをかけるように、
るなちゃんの友達のブスが、ニヤニヤしながらこういった。

ブス「るな、せっかく1人で会いに来てくれたんだから、ちゃんと相手してあげなよ。」

(こいつ、余計なことを言いやがって。完全に僕を馬鹿にしている・・・。)


結局、るなちゃんとはそこで解散した。

その日会うという約束は、それで終わってしまった。

るなちゃんは僕と会うのを他人に見られたくなかったのだろうか。
ブスが馬鹿にするような冴えない男と、一緒にいると思われるのが恥ずかしかったのだろうか。


一体何のために文化祭に来て、一人残っていたのだろうか。

こんなことなら、友達と一緒に帰れば良かった。


後悔先に立たず。

ブスの勘違いアシストのせいもあって、学園祭は最悪な形での幕切れとなった・・・。


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