ガッキー似美人教師さゆり(2):キミに決めた!
合コンの定石として、乾杯の後は自己紹介タイムになる。
男性陣から時計回りで自己紹介が始まっていく。
男性がボケたり面白いことを言ったときには一応愛想笑いをするが、当然全く興味はない。
頭の中では、自分の自己紹介をどうこなすかしか考えていない。
ただ、人見知りの僕に面白い自己紹介が出来るはずもなく、いつもの通り、自分の仕事を中心にした当たり障りのない自己紹介をした。
そして、いよいよ女性陣の自己紹介の番へ。
僕は女性の名前を覚えるのが苦手だ。
何となく、女性の名前って3文字の似たような名前ばかりに感じて、ほとんど記憶できない。
合コンのときはみんな、胸にネームプレートを付ければ余計なストレスを減らせるのに、と良く思う。
話が逸れたが、自己紹介は順調に進んでいく。
そして女性陣の3人目、僕の席の斜め前の女の子が話し始めたとき、僕は完全に目を奪われた。
ものっすごく好み・・・。
小柄で目がパッチリしていて、美人さの中にかわいさも兼ね備えている。
僕は一瞬で惚れた。
結婚したいと思った。
その女性の名はさゆりさん。(さゆりさんの名前だけはバッチリと記憶。)
大学4年生で、来年からは教師になることが決まっている。
高校教師で、科目は英語ということだ。
さゆりさんの自己紹介を聞いた後、他の女性陣の自己紹介など全く頭に入らなかった。
他の女性陣の顔は、全く目に入らなかった。
人見知り&女性恐怖症の僕だったが、必死に話に参加し、なるべくさゆりさんと話すように頑張った。
僕が受けたTOEICの話や、「GARNET CROW」というアーティストが好きだという話が記憶に残っている。
盛り上がったかと言われると何とも言えないが、僕としては頑張っていたと思う。
少なくとも、他の合コンのように、僕だけ話に入れずに浮いてしまうということもなかった。
そうして、合コンは終焉を迎えた。
この合コンの良かったところは、連絡先を幹事がまとめて送ってくれたところ。
合コンの場で個別に連絡先を聞くのは、奥手な僕にとってはハードルが高い。
他のメンバーに「あ、ひろしのやつ、さゆりさんを狙ってるのね。」と思われたり、さゆりさん本人に「この人私のこと好きなのか。ないわ~」と思われたくない。
今回は、男性幹事が全男性メンバーに、女性のメールアドレスを送ってくれた。
(ちなみに当時、LINEはまだない。メールだ。)
さゆりさんのメールアドレスを手に入れ、僕にとっては大収穫の合コンだった。
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