ガッキー似美人教師さゆり(10):宴の代償

本当に困った・・・。

目の前には机に突っ伏して泥のように眠るさゆりさんがいる。

「大丈夫?」と声を掛けても、体を少し揺すってみても、起きる気配はない。

お店は席だけ予約していたため、追い出されることはないのだが、時間は刻一刻と過ぎて行く。

終電の時間が近付いてくるが、僕はあまりにも無力。

何も出来ないまま、気付けば時間は午前1時を回っている。

僕もさゆりさんも、あっさりと終電を逃してしまった。

決して、下心があって意図的に終電を逃した訳ではない。
本当に、寝ているさゆりさんをどう扱ったら良いかわからなかったのだ。

そんな折、さらに衝撃的な出来事が起きた。

「ゴフッ・・・!」

さゆりさんはそのような音を発すると、口から液体を吐き出した。
(所謂、寝ゲ〇です。汚い話で申し訳ありません。)

僕は慌てておしぼりで拭き取ろうとするが、全然足りない・・・。
日本酒のダメージは相当なものだったのだろう。

僕は店員を呼んだ。
店を汚したことを叱られることも覚悟しつつ、ソフトにお願いをする。

「すみません。おしぼり、いっぱい貰えますか?彼女、気分が悪くなっちゃったみたいで・・・。」

店員さんが内心どう思ったかはわからない。
でも、その人は快く応じてくれ、大量のおしぼりを持って来てくれた。

僕は机と、一部床にまで広がった液体を綺麗に拭き取り、なんとか一息ついた。

それからの約4時間。

僕はただただ、さゆりさんの背中をさすり続けていた・・・。
※エロい気持ちは一切なかった。ただし、親切心だけでなく、目覚めてもらって話をしたいという私欲はあった。

午前6時頃、ようやくさゆりさんが顔を上げた。

状況を把握できていないのだろう。
無言でキョロキョロと周りを見たり、自分の口元を気にしたりしている。

僕はなぜか言葉を発することが出来ず、様子を伺っていた。


さゆりさん「トイレに行ってきます。」


そう言ってトイレに消えていき、10分程して帰ってきたさゆりさん。
(口の汚れだったり、化粧だったりを直していたと思われる。)

寝てしまっていたことを謝られた後、電車も動いているので急いで店を出ることにした。

僕は店員さんにお会計をお願いする。

忍者が伝票を持ってやって来た。


伝票「38,000円」

ひろし「!?」


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