同僚の紹介、ゆき(2):リス
話をもらって1週間。
あっという間に、明日にはもう、ゆきさんと会う日だ。
深夜1時頃。
(カタカタカタ)
(ターン)
(カタカタカタカタ)
(ターン)
決してひろしが緊張で震えているわけではない。
ひろしがキーボードを叩いている音だ。
僕は夜な夜な、「リス顔」について検索していた。
「リス顔 芸能人 女性」「リス顔 女優」「リス顔 アイドル」
検索結果に表示されるサイト・写真を隈なくチェックする。
(なるほど。山本美月さんみたいな顔がリス顔なのか。いいじゃないか!)
僕は面食いだ。
僕に取って、「最初に会った瞬間に相手の顔が大丈夫かどうか。」が最初の関門になる。
(かわいくなかったとしても、ナシでないことが重要。)
失礼なことを言っているのは重々承知している。
「自分の顔と身長とコミュ障を治してから相談しろ。」と言われると反論出来ない。
だが、事実として、顔がダメだと次に進む気力がどうしても起きてこないのだ。
Hey!Say!JUMPの山田涼介がこんなことを言っていた。
「自分の好きな外見じゃないと 中身を知ろうと思わない 」
・・・
残念ながら、よくわかる。
僕は身長だけでなく、心もジャニーズだったようだ。
顔はジャニーズじゃないのに。
・身長が高い
・外見をきにしない
・ジャニーズ並にカッコイイ
どれか一つの要素だけでもあれば、こんなに恋愛で苦労しなかったかもしれないのに、
全て良くない方の要素が揃ってしまった。
それにしても、「リス顔」だけでここまで思いを馳せるとは、非モテ人間とは恐ろしい・・・。
僕は明日、山本美月が表れることを期待して、寝床に入った。
—————-
▼ゆきさん編第一話
同僚の紹介、ゆき(1):寝耳に水
▼ゆきさん編だけを絞り込む
「ゆき」タグ
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません