同僚の紹介、ゆき(4):クズな思考

2020年1月3日

ゆきさんを一目見た瞬間、僕の心の中の炎は一瞬で鎮火した。

決して不細工ということはないが、僕の琴線には全く触れなかった。

山本美月とは似ても似つかなかった。


・・・

まぁ、普通に考えればそりゃあそうだ。
30代半ばでフリーの女性なんて、そうそう美人はいない。

わかっていた・・・。はずだった・・・。


それにしても、同僚よ。

君は一体どういう気持ちで僕にこの女性を紹介したのだろうか。

これで僕が喜ぶと思っていたのだろうか。
だとしたら、安く見られたもんだ。

なんて、相変わらず自分のスペックは棚に上げつつ、ひどいことを考える。


そんな僕の気持ちを知る由もなく、同僚はおせっかいな動きをする。


同僚「ひろしとゆきさんが隣に座った方が良いよね。じゃあ、そっちに座って座って。」


僕は言われるがまま、ゆきさんの隣に座った。

テンションが下がっていることを表に出してはいけない。それが男のつとめだ。


ひろし「初めまして。ひろしです。よろしくお願いします。」

ゆきさん「ゆきです。よろしくお願いします。」


形ばかりの挨拶を終えた僕は、とりあえず、飲み物を頼もうとメニューを見る。

高い!

ビール1杯で800円かかる。安めのお酒でも550円以上だ。

正直、この飲み会にはあまりお金を掛けたくない・・・。

だが、飲まずにこの場を切り抜けられる自信もない・・・。
(酔っ払ってテンションを上げる必要がある。)


悩んだ挙句、「水曜日のネコ」という謎のビールを注文した。

同僚とゆきさんは、先に注文したドリンクがまだ残っている。


しばらくして、水曜日のネコが運ばれてきた。


同僚・ゆきさん・ひろし「乾杯!」


こうして、飲み会の幕は明けた。


—————-
▼ゆきさん編第一話
同僚の紹介、ゆき(1):寝耳に水
▼ゆきさん編だけを絞り込む
「ゆき」タグ

スポンサーリンク

クリックしていただけると嬉しいです!

にほんブログ村 恋愛ブログ 30代男性 婚活・結婚活動(本人)へ