酔いどれ会計士かおり(7):後日談

翌日、会社に出社して社長に事のあらましを報告した。

社長「何やってるんだ。オレはてっきり、『僕たち付き合うことになりました。』って報告があると思っていたのに。」

社長「その状況で何もしないのは、逆に失礼だぞ。」

案の定、僕の動きは酷評された。(ちなみに、社長はあの夜、ヨウさんに手を出したそうだ…。)

しかし、僕の考えは少し異なる。

逆に、下心を出してしまったことが、今回の失敗の要因の1つではないだろうか。

かおりさんを家に連れ帰ったとしても、最初から手を出すことを考えなければ良かったのだ。純粋に、かおりさんと付き合うことを目的に置いていれば、もう少しまともな行動が出来たと思う。

邪な考えで悩まずに、そのままベッドに寝かせてあげる。そんな風に冷静に行動していれば、翌日落ち着いて連絡先交換も出来たかもしれないのではないか・・・。

本来の僕はこんな人間ではないと思っていた。でも、思わぬチャンスを前に、自分を見失ってしまった結果、今回の失敗を招いた気がする。

後日、合コンの帝王にもかおりさんの1件を報告した。

帝王からは、「会計士は収入もあるのに、良い物件を逃したな。」と、予想外の角度から苦言を呈された。(帝王はもはや女性を見かけだけで判断しておらず、いかに自分にとって有益な存在であるかという観点で考えている。流石だ。)

いずれにしても、帝王としても、かおりさんには手を出すべきだったという意見だった。(ちなみに帝王は社長とは面識がないが、社長のアシスト(未遂)を大絶賛していた。出来の悪い教え子(僕)にパスを出しまくっている帝王だからこそ、社長の気持ちがとても良くわかったようだ。)

結論は出た。

「女性を家にお持ち帰りした場合は、手を出した方が良い。」

大きな勉強代を支払うことになったが、僕はまた1つ、大人の階段を昇ったのだ。

(完)


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