酔いどれ会計士かおり(6):QBK
ゴソゴソ動き出した僕に気付いたのか、かおりさんも目を覚ました。
積極的にアプローチしてくれた挙句、ソファーに放置されたかおりさんは、何を思っていたのだろう…。
かおりさん「私、帰りますね。」
起きてから間もなく、ほとんど世間話をすることもなく、かおりさんは帰ると言った。引き留める理由もないし、僕もバツが悪かったので、同意するしかなかった。
僕はかおりさんを駅まで送って行き、そして駅の改札で見送った。
ひろし「じゃあ、また。」
かおりさん「ありがとうございました。じゃあ。」
かおりさんの姿が消えるまで見送り、僕もアパートへの道を引き返した。
(やれやれ、疲れた。帰ってベッドでゆっくり寝よう。)
そんなことを考えながら歩いていたとき、僕はある重大なことに気付いた。
(あ!そう言えば、かおりさんの連絡先を聞いてない…)
僕は今後、かおりさんと連絡を取ることすら叶わなくなった。
せっかく僕に好意を持ってくれた女性をみすみす逃してしまうことになったのである・・・。(今回の失態で、どっちにしても見限られてしまっていた可能性もあるが。)
なぜこのような結果になってしまったのか、冷静になって考えてみる。
どう考えても、QBK(急にボールが来たので)だよなぁ・・・。
QBKとは、FIFAワールドカップ・ドイツ2006 日本対クロアチア戦の後半6分に、決定的チャンスを外した柳沢敦選手のコメント『急にボールが来たので』 を略したネットスラング。 「急」には"K"ではなく、音を拾って"Q"が当てられている。
QBKとは (キュービーケーとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
実際のQBK動画はこちら。
一応言っておくと、僕は柳沢敦のことは結構好きだ。イケメンだし。奥さん(小畑由香里)美人だし(僕の好みのタイプではないが)。
柳沢のことはここまでにするとしても、「あまりに突然の事過ぎて対応出来なかった。」というのが正直な気持ちだ。
だって、赤ちょうちんの居酒屋の飲み会に若くてかわいい女性がいるなんて、ましてやそんな女性と良い感じになって家にお持ち帰り出来るなんて、事前に想像出来るはずがない!
そして事前準備なしで、このようなイベントに対応できる程のスキルも経験も僕は持ち合わせていなかった。
これが敗因と考えて間違いないだろう・・・。
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▼かおりさん編第1話
酔いどれ会計士かおり(1):赤ちょうちんに誘われて
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