酔いどれ会計士かおり(3):モテ期

かおりさん達がテーブルに来てくれてから、すごく楽しかったのは憶えている。
ただし正直言って、どんな会話をしたかの記憶は残っていない。

だが、既に十分酔っ払っていたこともあり、女性達とも緊張感なく話せたことは間違いない。
そしてこのときの僕は合コン修行を終えた後だったため、かおりさん達には、僕が女性と話すことが苦手ということは微塵も感じさせなかったと思う。

気が付いたときには、僕はなぜかかおりさんからモテていた。
断片的に残っている記憶は次の通り。

●僕とかおりさんの様子を見ていた店長から、「若い男少なかったからラッキーだったね。」とイジられた(確かに、店内に20代男性は僕一人だった)
●トイレに行ったついでに酔い覚ましのため1人で休んでいると、隣にかおりさんが来てくれて2人で話していた
●後日社長から、「かおりちゃんにアプローチしたら『私、ひろしさんが良いです』って言われた。」という証言を得た(ちなみに社長は当時30代半ば、独身)

また、こんなこともあった。

社長が「ワインを飲みたいから、近くのお店で買ってきて。」と僕にお使いを命じた。お金を受け取って早速出掛けようとするとかおりさんが、「私も行きます。」と一緒に付いてきてくれた。おかげでワイン選びもちょっとしたデート気分だ。

ここまでの状況になれば、いくら恋愛経験が少なく鈍感な僕でもさすがに、かおりさんからの好意を感じ取れたのは事実だ。

これはモテ期が来ているかもしれない。(1人にモテているだけだが。ちなみにヨウさんとは言葉を交わした記憶すら残っていない笑)

失礼な話だが、途中からはかおりさんのことしか考えていなかった。

・お店が今日で完全閉店になってしまうこと
・最初に同じテーブルで飲んでいた、常連の東さん

これらは僕の頭の片隅に追いやられてしまっていた。


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