生涯唯一のナンパ、美少女店員まゆ(6):鳴らない、電話
翌朝目を覚ました僕は、まず最初に携帯をチェックする。
まゆさんからの連絡はまだ来ていない。
仕方がない。彼女にも彼女なりの都合があるのだろう。
夜遅くまでバイトして、疲れて帰ってすぐに返信する気力はないに違いない。
きっと今日には連絡が来るさ。
そのときの僕はなぜか連絡をもらえそうな予感があった。
本当に、その根拠のない自信がどこから湧いてきたのか、僕にもわからない。
仕事はあまり手につかなかった。無駄に携帯をチェックする。
当時はガラケーだ。メールの「問合せ」を行う。
圏外になど、足を運んでいないのに。
結局、その日も連絡が来なかった。
次の日も、その次の日も来なかった。
ここまで来てようやく、僕も事情を察して来た。
そうか、ダメだったのか・・・。僕はイケメンじゃないしな・・・。
こうなると、悪い妄想がどんどん頭をよぎってくる。
(僕のことは、ドンキや大学のメンバーに共有され、笑いものにされているに違いない。)
(名刺はゴミ箱に捨てられたのかな?知らないヤツに渡されてたらどうしよう。)
(Facebookにうつっていたあのチャラ男は、やっぱり彼氏だったのか。)
(商品の場所を聞くとかして、もっと仲良くなってから実行に移すべきだった。)
考えても仕方のないことばかり、考えてしまうが、後悔先に立たず。
とりあえず、Facebookを覗いてみたが、
「キモイ客に名刺を渡された、ウケるw」みたいな投稿はなかった。
そう、彼女はそんな子ではない。
知らない人から連絡が来ることもなかった。
二次被害は発生しなかったようだ・・・。まゆさん、ありがとう。
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