女子大生マネージャーさくら(30):夢の終わり

翌朝、目覚めた僕に残っていたのは、頭痛と倦怠感、そして心の傷だけだった。

こんな日は漫画でも読みながらゴロゴロして、身体と心をゆっくりと回復させたい。

しかし、残念ながらまだ木曜日だ。

いつもと同じように、会社に行くしかない。

重い体を起こして10分で身支度し、自転車で会社に向かった。

結局この日、午前中は仕事にならなかった。

午後にようやく体調も戻り、いつも通り遅くまで働いてから帰宅。

深夜、暗い部屋で僕はずっと考えていた。

果たして、昨日何が起こったかを、合コン帝王に聞いてみるべきか・・・。

・・・。

いや、無理だ。

さすがに、帝王とさくらさんがあの後ホテルに行ったということはないと思う。

だが、その前に僕が大失態を演じていることは確実だ。

どう考えても、2人を見送るところまで意識があったとは思えない。

となると、帝王に詳細を教えてもらうことは、傷口に塩を塗られることと同義だ。

そんなこと、僕のか弱いハートが耐えられるはずがない。

(うん、そうだよな・・・。知らない方がよい。)

僕は自分に言い聞かせ、今回の件は墓場まで持っていこうと決めた。

だからと言って、あの日の出来事をなかったことには出来ない。

それはつまり、さくらさんにアプローチ出来なくなったことを意味する。

詳細はわからないまでも、酒に酔って寝落ちし、あまつさえ寝ゲロまで吐くという、カッコ悪すぎる醜態を晒した可能性がある以上、その状況でさくらさんをデートに誘う程、僕は厚顔無恥にはなれなかった。

結果として、それ以降、さくらさんにLINEを送ることはなかった。

そして、さくらさんから連絡が来たことも、一度もない。

幸か不幸か、直近の「焼肉デート→焼肉パーティー」コンボの前はさくらさんと1年以上連絡を取っていなかったこともあり、今回のダメージは少なかった。

比較的すぐに、さくらさんのことは忘れ、新しい出会いに気持ちを切り替えていけたのだった・・・。


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