女子大生マネージャーさくら(9):デートに備えて漫画を読む理由
さくらさんからの返信は、すぐに返ってきた。
さくらさん「お寿司行きたいです。部活が忙しいので落ち着いてからが良いですけど。」
ひとまず、デート自体はOKとの回答だ。帝王、いつもありがとう!
ただ、少しトーンダウンした印象は否めない。この前の不甲斐ないデートのせいで、「部活>ひろし」という優先順位になってしまったのだろうか。アメフト部のスケジュールを確認したところ、リーグ戦の佳境を迎える時期だったので、さくらさんは嘘は言っていないとは思うのだが・・・。
その後のやり取りの中で、決まった日程は1ヶ月以上先だった。
思いがけず時間が空いてしまった。そこで僕は、さくらさんとのデートに備えてある行動に出る。
(そうだ。漫画喫茶に行こう!『アイシールド21』を読もう。)
解説しよう。
『アイシールド21』(原作:稲垣理一郎、作画:村田雄介)とは週刊少年ジャンプに連載されていた、アメリカンフットボールを題材にした漫画である。全37巻発行され、テレビアニメ化もされた人気作品だ。
僕が「アメフト」から連想するものは『アイシールド21』しかなかった。
・アメフト部のマネージャーのさくらさんは、きっと『アイシールド21』のことが好きなはず
↓
・美登里寿司の待ち時間にこの話題で盛り上がれるな
↓
・でも、僕は『アイシールド21』を読んだことがない
↓
・よし、満喫に行こう!
こんな短絡的な思考。
デートの準備として満喫に行く人間はなかなかいないんじゃなかろうか。
ちなみに僕は漫画は大好きだが、満喫はあまり行ったことがない。飲んでいて終電をなくし、宿代わりに利用したことが数回ある程度だ。
後日、渋谷の某漫画喫茶で必死に『アイシールド21』を読み漁る男がいた。
これはもはや、娯楽ではなく修行だ。
僕の誤算は1つ。
(『アイシールド21』ってこんなに巻数出てたの!?)
よもや全37巻も発行されていたとは思っていなかった僕は、3時間パックで入店しており、どう頑張っても読み切れる量ではなかった。
漫画1冊を読み終える速度は平均25分と言われている。単純計算で15時間以上。無理過ぎる…。
この日は10冊も読み終えることなく、漫画喫茶を後にすることになった。
そして結局、デートまでに再度満喫を訪れることはなく、残りの『アイシールド21』を読了することはなかったのであった。
中途半端な努力・・・。
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