雨中に舞い降りた天使さやか(1):ラブストーリーは突然に
何の変哲もない日曜日の夜。
そのはずだった。
僕は友達の家で宅飲み+ゲームをし、終電に乗り込んだ。
(この頃、2週に一回はそんな休日を過ごしていた。
男同士で缶チューハイを飲みながら安いツマミを食い、ゲームをする。
それがとても楽しかった。)
最寄り駅に着いて駅を出ると、外は大雨だった。
まさにバケツをひっくり返したような土砂降り。
さっきまでは全く降っていなかったのに。
(あちゃー、運が悪いな。)
駅から自宅までは、徒歩で10分。
雨が降るなんて全く予想していなかったため、当然傘はない。
すぐ近くにコンビニはあった。
(ま、いっか。)
お酒を飲んで気が大きくなっていた僕。
どうせ家に帰ってシャワーを浴びるだけだ。
濡れても濡れなくても変わらないと思い、そのまま歩き出す。
急ぐわけでもない。走ることもしない。
まるで雨など降っていないかのように、ゆっくりと歩を進めていた。
そのとき。
?「ちょっとちょっと、何してるんですか!?」
突然の声に驚きふり返ると、若い女性が傘を差しながら、慌てて僕の方に走って来る。
最初は違う人に話しかけているのかと思った。
でも、彼女はまっすぐに僕のところに来て、その傘に僕を入れてくれた。
これが、さやかさんとの初めての出会いだった・・・。
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