ガッキー似美人教師さゆり(7):不穏な幕開け

【さゆりさんとの2対2の飲み会当日】

僕は合コン帝王と早めに合流し、一緒に六本木に向かった。
集合時間の20分前に六本木駅に到着し、2人で話しながら、さゆりさん達の到着を待った。

約束の時間が近づくにつれて、僕の緊張感もどんどん高まっていく。

さゆりさんと会える緊張感が半分。
もう半分は、さゆりさんに気付けるかどうかという緊張もある。

これはあるあるなのだが、僕は人の顔を憶えるのが苦手だ。
いかに一目惚れした相手とは言え、一回しか会っていない女性を、多数の人が行き交う中で見分けられるかどうかは未知数だ。
仮に相手が気付いているのに僕が気付かなければとても失礼だし、マイナス印象を与えてしまう恐れがある。

約束時間の5分前からは、さゆりさんを絶対に見つけるべく、改札を凝視し続けた。

(あ、あの子か?・・・。いや、全然違う。)
(あんな雰囲気だったかな・・・。あ、違った。)

そんな間抜けなことをやっているうちに、改札に僕好みのかわいい女の子が・・・。

(あれだ、間違いない!)

その女の子も僕に気付き、こちらの方に向かってくる。

(よし、さゆりさんに気付けてよかった!
 でも、あれ!?)

そういえば、向かってくるのはさゆりさん1人だ。
友達は?友達も六本木駅に直接来るのだろうか?

さゆりさん「おひさしぶりです。」

ひろし「ひさしぶり。今日はよろしく。」


ここで、さゆりさんから衝撃の言葉が飛び出したのである。


さゆりさん「実は友達が急に来れなくなっちゃって・・・。」


なんと!そういうことだったのか!
こうして急遽、飲み会は2対1で行われることになった。

それにしても、さゆりさんは1人なのに良く来てくれた。
僕の目的はさゆりさんなのだから、さゆりさんさえいてくれれば何の問題もない。

合コン帝王は少しテンションが下がっているように見えた。
自分が攻めるべき対象を失ったのだから、当然か。

それでも帝王は「帰る」とは言わず、付き合ってくれた。

合コン帝王とさゆりさんの間でも軽い挨拶を済ませ、僕たち三人は忍者屋敷に向かった・・・。


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