ペアーズの保育士めい(3):グイグイ来る女

めいさんからの突然の電話の誘いに、僕はひどく狼狽した。

これまでマッチングアプリ(Pairs・Omiai)で何度も女性とやり取りし、実際に会って食事したことも何回かあった。

でも、会う前に電話をしたという経験はなかった。(ちなみに、会った後に電話をしたという経験もなかった。つまり、会ってから続いたことがなかった・・・。)

大体から、僕はコミュニケーションが苦手で女性が苦手。

そのうえマニュアル人間で瞬発力に乏しいタイプ。

女性とメールをするときだって、直観で返すことが出来ず、じっくりと内容を推敲し、悩みに悩んだ上で返信をしている人間だ。

確かにめいさんとはこれまでになくスムーズにメッセージ交換が出来ているが、それにしたって、いきなり電話で話すというのはハードルが高過ぎる。

僕は丁重かつ、重くならないようにお断りした。


ひろし「いや~、それは恥ずかしい笑」


そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、速攻でめいさんから返信が届く。


めいさん「え~、いいじゃん。電話しようよ。」

な…なんだキミ…(『さすらいアフロ田中』6巻第3話「グイグイきております」)
見かけによらず…グイグイくるな…(『さすらいアフロ田中』6巻第3話「グイグイきております」)
『さすらいアフロ田中』6巻第3話「グイグイきております」

やんわりと断ったにも関わらず、こんなにグイグイ来るとは・・・。

これが若さ故の積極性なのだろうか。

こうなってはこちらもこれ以上は拒否しづらい。

あまり相手の気持ちを否定すると、ヘタしたらめいさんとのやり取りが終わってしまう。

写真がめっちゃタイプで、せっかくここまで繋いだ関係。

メールの感触も悪くない。

・・・。

よし。

やるしかない。

僕は覚悟を決めて、めいさんにメッセージを送った。


ひろし「仕方ないなー、わかったよ(笑) LINE通話で良いよね?」

めいさん「やったー。うんLINEで良いよ。10分後に掛けるね。」


めいさんとのやり取りは初期の段階で、ペアーズのメッセージではなくLINEに移行してある。

なのでID交換は既に終わっているので、後は電話を待つだけだ。

ちなみにこのとき、既に深夜の1時半。

翌日も当然仕事だし、いつも通り0時頃までサービス残業をすることになるだろう。

だがそんなことは知ったこっちゃない。

仕事よりも、恋愛が優先。

僕に訪れた千載一遇のチャンスを、仕事のために棒に振るなんて絶対に嫌だ。

僕はトイレに行き用を足した後、スマホが鳴るのを座して待った・・・。


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ペアーズの保育士めい(1):マッチングアプリ黎明期の出会い
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