女子大生マネージャーさくら(29):残らぬ記憶。消したい過去。
・・・。
・・・・・・。
( ゚д゚)ハッ!
目を覚ますと、僕はベッドでうつ伏せに突っ伏して寝ていた。
しかも汚い話だが、口の周りには、少し嘔吐した後がある。
急いで周囲を見渡すと、そこには誰もいなかった・・・。
念のため、玄関まで足を運ぶが、帝王の靴もさくらさんの靴もなし。
どうやら、2人とも帰ってしまったようだ。
(そうか、酔っ払って寝てしまったんだな。)
時計に目をやると、午前1時頃だった。
一体いつまで焼肉パーティーが続いていたのか、2人はいつどんなタイミングで帰ったのか、全く記憶に残っていない。
問題なのは、「2人が帰るまで僕が起きていたのかどうか」だ。
2人を見送ってからバタンキューしたのであれば、何の問題もない。
最悪なのは、何の脈絡もなく、僕がベッドで寝落ちしたケース。
さらに言うと、ベッドで嘔吐するシーンを2人に見られたのであれば、もはや救いようがない。
さくらさん「寝ちゃいましたね。うわっ、吐いちゃってますよ!」
帝王「うぉ!汚ぇ。やばいから、さっさと帰っちゃおう。」
さくらさん「そうですね。帰りましょう。」
帝王「でもせっかくだから、2人でお店で飲み直そうぜ。」
さくらさん「良いですね。行きましょう!」
(お店で飲んだ後)
帝王「疲れたから、ここ(ホテル)で休んで行こう」
さくらさん「えぇ~、ホントですかぁ(照)」
悪い妄想がとめどなく流れてくる。
・・・だが考えても、僕がどのタイミングまで起きていたかなんて、答えが出るはずもない・・・。
僕はまず、ベッドのシーツを洗濯機に突っ込んだ。
続いて、パーティーの残骸である空き缶や紙皿、焼肉のパックなどをゴミ袋にまとめ、ホットプレートを洗う。
そして窓を開けて部屋全体にファブリーズを撒く。
仕上げに、濡れたタオルをブンブンと回す。読売巨人軍で点が入ったときにオレンジ色のタオルを振り回す要領だ。
こうすると、焼肉の臭いが取れると、何かで読んだ気がする。
家での焼肉の最大の問題点は臭いがついてしまうことだが、傷心にも関わらず、僕は淡々と後片付けを進めた。
でも、アパートで男が一人、濡れタオルを振り回している姿は、どこか悲しい。
あの姿を他人が見たら、哀愁を漂わせるその姿に、涙したのではないかと思う・・・。
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▼さくらさん編第1話
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