ガッキー似美人教師さゆり(28):不完全燃焼

さゆりさんとのデート当日。
今回はこれまでと違い、平日の夜のデートだ。

17時を過ぎたあたりから、ソワソワし始める僕。
やることはいっぱいあるが、仕事が全く手につかない。

そうこうしているうちに、あっという間に約束の時間が近付き、僕は残っている仕事を無視して会社を出た。

(いいんだ。さゆりさんと付き合えるなら、会社なんてどうなったって構わない。)

そんな感じに仕事を捨てて飛び出した僕だが、乗り換えをミスったせいで、新宿駅の待ち合わせには5分遅刻してしまった。いきなり雲行きが怪しい。

だが、さゆりさんは気にしていないようなので、そのままお店の入っているビルにエスコート。
入念な下見の甲斐があって、迷うことなく辿り着けた。

そしてもちろん、お店に入る前に展望台で新宿の夜景を見せた。

さゆりさんは「すごいですね。キレイですね。」と言ってくれた。
が、言葉とは裏腹にリアクションは薄い。あまり興味がないように見える。

そういえば、さゆりさんは以前、「イルミネーションに興味がない」と言っていた。
その延長戦で考えると、夜景にも興味がないかもしれない。

・・・なんてことに、今さら気付いてしまった。

雰囲気づくりに失敗した僕は、早々に展望台を切り上げてお店に入った。
少し予約時間より早かったが、待ち時間なく予約席に通してもらえたのは幸い。

乾杯してすぐ、僕はさゆりさんに卒業祝いを渡した。
そう、先日東急ハンズで購入した、ミニスピーカーだ。

さゆりさんは「ありがとうございます~。」と言って受け取ってくれた。
だが、ここで予想外の展開になる。

さゆりさんがプレゼントを開けてくれない。

いや、そんなことがあり得るのだろうか。さゆりさんは包装を解こうともしない。
そして僕はと言うと、「良かったら中身見てみて!」なんて気の利いたセリフを吐く経験値すらない。

こうしてついに、プレゼントに対するさゆりさんのリアクションを見ることは叶わなかった。
(今思うと、それ程喜んでもらえる物でもないと思うので、ガッカリした反応を目の当たりにするよりは、良かったのかもしれないが・・・。)

では肝心の飲みの雰囲気はどうかと言うと、これが全く盛り上がらなかったのである。

そもそも、さゆりさんはお酒自体あまり飲んでくれず、3杯目からはソフトドリンクに移行していた。
翌日予定があると言っていたので、セーブしていたのだろうか。

決して過去の再現を狙っているわけではないが、トーク力のない僕は、シラフのさゆりさんを楽しませることも、盛り上げることも出来なかった。

結局、何も面白みのない会話に終始し、2時間のタイムアップ。
正直、さゆりさんは楽しくなかったと思う。

僕たちはそのまま新宿駅に向かい、そこで解散した。

昨日は「告白してやる!」と息巻いていたが、出来なかった。

・展望台での夜景⇒不発
・誕生日プレゼント⇒不発
・トーク⇒不発(実力不足)

こんな状況で、告白する勇気が出て来るはずもない。

今日も今日とて、僕は心に傷を負って帰宅することになったのである。


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