ガッキー似美人教師さゆり(33):かわいい女とけーわい男

ジョッキを交わし、僕たちは色んな話をした。
ソラニンの話、さゆりさんの仕事の話、僕の仕事の話、漫画やアニメの話・・・。

すごく盛り上がって、とても楽しい飲み会だ。
とても幸せだ。

と、思っていた。

僕だけは。

トイレで席を外してから戻ってくると、さゆりさんが下を向いて元気なさそうにしていた。

僕は「さゆりさん、大丈夫?」と声を掛けた。
さゆりさんは「大丈夫です。」と答えた。

僕はそれ以上何も聞かず、それまで通り会話を続けた。


数十分後、僕が楽しく喋っていると、さゆりさんがまた、うつむいていた。

僕はまた「さゆりさん、大丈夫?」と声をかけた。

すると、

「何がですか!?」

いきなり、怖い顔でこう言われた。
僕は心底ビビった。

今になって分析するに、さゆりさんの心境は恐らくこうだ。

(こんなにつまらない空気にしてるのはお前なのに、「大丈夫か?」ってどういうことだよ。大丈夫じゃねーよ!)


きっと僕の会話は、超絶面白くなかったのだろう。
楽しんでいたのは僕だけだった。

僕は好きな女性と一緒にいるとき、「嬉しい。幸せだ。」としか考えていない。
そこには、「相手を楽しませる」だとか「盛り上げよう。」といった、相手を気遣う思考は微塵も存在しない。

その結果自分の幸せに酔いしれた状態で本能のままにしゃべってしまい、相手がつまらないと感じていることにも気付かず、話続けてしまうのだろう。

これはいわゆる、KY(死語!?)という奴ではなかろうか。

僕はディズニーの失敗から何も学んでいなかった。

さゆりさんの怒りを買った僕だが、もちろんそのときは理由がよくわかっていなかった。
かなりビックリしたが、気を取り直して再び飲み始めたのである・・・。

結局、お店を出た時間は、23時を回っていた。
お店に入ったのが18時頃だから、計5時間も鳥良にいたことになる。(さゆりさんは、本当に良く付き合ってくれたものだ。)

お店を出て、駅に向かう途中の帰り道。
僕はこんなことを考えていた。

(よし。今日は本当に告白してやる!)

このKYな考えが、まさかあんな結果を招くとは、知る由もなかった・・・。


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