女子大生マネージャーさくら(17):寝正月
その日(元日)のお昼過ぎ、さくらさんからLINEが返って来た。
さくらさん「あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします。」
うむ。とりあえず、返信が届いたのは良かった。
まあ、喧嘩別れしたわけではないので、あけおめLINEを返してくれることは当たり前か。
問題は、僕の「またご飯行こう」が華麗にスルーされていたこと。あえて無視したのか、社交辞令と捉えて気に留めていなかったのかどうかは、よくわからない。
さすがにこのままだと終われないと思った僕は、追撃のメッセージを送った。
と言っても、内容はただの世間話だが。
ひろし「お正月は実家に帰ってるの?」
さくらさん「いえ、東京です。大学の友達と年越ししました!」
ひろし「オレは実家だからヒマだよ。箱根駅伝見るぐらいしかやることがない。」
さくらさん「私は沿道で応援しに行きますよ。」
う~む。こうやって改めて振り返ってみると、さくらさんはノリが良い。
僕のLINEに対しても、話を切るわけではなく、きちんと繋がる形でメッセージを返してくれている。
これは完全に言い訳出来ない。
結局、このやり取りの流れから、僕はデートに誘う機会を見出せなかった。
完全に僕の実力不足だ。あるいは度胸不足。
以前、帝王とさくらさんのLINEの内容を見せてもらったことがある。
帝王の話術とさくらさんのノリの良さが相まって、ものすごく盛り上がっていた。帝王が本気を出せば、さくらさんとデートすること、さくらさんと付き合う事は本当に余裕で出来てしまうのだろう。僕に気を遣ってくれているのと女性に不自由していないため、帝王にその気はないが。
さすがに帝王は比べる相手が悪過ぎるとしても、僕に一般人並みの恋愛スキル・恋愛経験があれば、こんなに苦しむことはなかっただろうに。
結果的に、さくらさんとの関係性は何ら進展することなく、この年も、僕は寝正月を過ごしたのだった。
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