ガッキー似美人教師さゆり(16):無能な男
さゆりさんに「イルミネーションに興味がない。」と言われた瞬間、僕の心がポッキリと折れてしまった。
(なんでや。
女の子ってみんなイルミネーションが好きなもんちゃうんか・・・。)
こうなってしまうと、デート経験ゼロの僕には圧倒的に分が悪い。
(1)ひろし「さゆりさん、イルミネーションとか好き?」
(2)さゆりさん「はい、イルミネーション大好きですよ。綺麗ですよね。」
(3)ひろし「この近くに有名なイルミネーションがあるんだけど、よかったら見に行こうよ。」
(4)さゆりさん「いいですね、行きましょう!」
この妄想しかしていなかった僕が、(2)でつまずいてしまうと、その後二の矢・三の矢があろうはずもなかった。
非モテの僕でも、この流れで「サザンテラスでイルミネーションを見よう。」と言うのがおかしいことぐらいはわかる。
さゆりさんがイルミネーションを断る可能性をなぜ考えなかったのか。
いや、もしかしたら「イルミネーションに興味がない」というのも、早く別れる口実?
ということは、さゆりさんが興味ないのは、イルミネーションではなく僕?
そもそもイルミネーションが好きかどうかを聞いた時点で間違いだったのか・・・?
考えても答えは出ない。
そしてさらに悪いことに、僕はカフェやご飯に誘うことすら出来なかった。
想定外の返答に頭が真っ白になりうまく会話を立て直すことが出来なかったのだ。
「イルミネーションに興味がない」と言われてからの僕は相当挙動不審だったと思う。
さゆりさんとはそのまま、新宿駅でさよならした。
おかしい。
当初のデートプランでは、映画を観終わった後、その映画について語り合うはずだったのに・・・。
まさか、本当に映画を観るだけで終わってしまうとは。
無能人間・・・。
その思いを抱えながら僕は家路に着いた。
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