ガッキー似美人教師さゆり(40):忘年会

さゆりさんとのデートが中止になって4日後、僕は実家に帰った。

福島第一原発事故の問題が一向に解決しないことで、東京にいることに不安があったため、予定していた帰省を早めたのだ。本当に、このときは仕事をしていなくて良かった。

それから3月はギリギリまで実家で過ごし、転職先の初出社日である4月1日に合わせて東京に戻ってきた。
そこからは、東日本大震災後の自粛ムードと、新しい仕事に慣れるために精神的に疲れていたこともあり、さゆりさんとデートをする余裕はなかった。

3月12日に予定していたデートは延期ではなく、完全に中止となってしまった。

その後、5月・6月に様子見のメールを送ったものの、さゆりさんの反応は暖簾に腕押しと言った感じで、チキンな僕はデートに誘う気にはなれなかった。

そこから、さらに時は流れて、2011年11月某日。
僕は福島県の宿から、さゆりさんにメールを送っていた。

この日、大学時代の友達と一緒に福島に旅行に来ていた。
(東日本大震災があったことも一因で、旅行先を福島に選んだ。被害の大きい地域ではないが。)

夜、みんなでお酒を飲んでいると、当然恋バナになる。
そしてその場のノリで、「ダメ元で良いから、さゆりさんにメールしてみろよ。」とまぁ、これも当然こうなる。


ひろし「ひさしぶり。元気にしてる?また飲みに行こうよ(絵文字)


これが男友達が捻りだしてくれたメール。まあ僕以外のメンバーは普通に恋愛経験があるし、合コンの帝王もいるから大丈夫だろう。

返信が来たのは翌日、東京に帰る新幹線に乗る少し前だった。


さゆりさん「おひさしぶりです。変わりなく元気です!お変わりないですか~。いいですね!もう忘年会シーズンですし。」


持つべきものは有能な友人である。このときほど、男友達に感謝したことはない。(実際はお酒のノリで面白半分だと思うが。)

その後、何回かやり取りを重ねた結果、日程は12月10日に決まった。
実に1年半振りの再会だ。

震災にも負けず、よくここまで辿り着いたものだ。


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