ガッキー似美人教師さゆり(8):豪腕
忍者屋敷に到着した僕たちは個室のお座敷に通され(当然個室を予約していた)、ついにさゆりさんとの飲み会の幕が開けた。
※ちなみにさゆりさんは、忍者屋敷に対しては大人な対応をしてくれた。
「面白~い。」と言ってくれるわけはなかったが、特に冷めた様子もなく、「こんなお店もあるんですね。」 と言う感じで決してマイナスには捉えていないように見えた。
最初の方は、僕もさゆりさんも緊張していて、若干空気が重い。
その状況を打開してくれたのはやはり、合コン帝王だった。
始めは僕とさゆりさんの様子を伺っていた合コン帝王だが、さゆりさんのキャラクターや場の雰囲気を掴むと一気にその本領を発揮していく。
彼はとにかく話術がすごい。
あることないこといろんな面白い話でどんどん場を盛り上げてくれた。
そして、それだけではない!
帝王は、さゆりさんが日本酒好きだということに目をつけた。
「お、結構飲めるね~。」「すごい。」
さゆりさんを煽てつつ、日本酒をどんどん飲ませる。また、帝王自身もそれに付き合うように日本酒をがぶ飲みし、さゆりさんの対抗心を煽ることで、さらにお酒を飲ませていく。
1時間後。
さゆりさんはすっかり出来上がって、テンションもすごく高くなっていた。
この状態であれば、僕もさゆりさんとあまり緊張感なく話せるようになっていた。
(もちろん、僕自身も酔っ払って気持ちが大きくなっていたという要素もある。)
そんな折、合コン帝王がいきなりすくっと立ち上がった。
「じゃあ俺そろそろ行くわ。後は二人で楽しんで。」
そう言い残すと合コン帝王は本当にその場を後にした。
後で本人から聞いた話だが、「ここまで来ればひろしでも大丈夫だろう。」という気持ちが半分、もう半分は「自分が手を出せる別の女性に会いたい。」という気持ちだったそうだ笑
こうして、合コン帝王は六本木の繁華街に消えていき、忍者屋敷の片隅に僕とさゆりさんの二人が残った。
なんという豪腕だろうか・・・。
さすが百戦錬磨の合コン帝王である。
酔っ払ってテンションが高くなった好きな女性と2人きりというシチュエーションを、いとも簡単に作ってくれた。
これで舞台は整った。
後は僕がさゆりさんを口説くだけだ・・・。
—————-
▼さゆりさん編第一話
ガッキー似美人教師さゆり(1):合同コンパ
▼さゆりさん編だけを絞り込む
「さゆり」タグ
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません