空手女子高生るな(9):空回りする思い
るなちゃんを自宅に連れ込んで以降も、何も進展のないもどかしい日が続いていた。
空手教室でもフレンドリーに会話をしているつもりだが、それ以上でもそれ以下でもない。
ある日、何を思ったのか、こんなことを言った。
ひろし「彼女欲しいんだけど、全然出来ないんだよね~。」
この発言に対して、僕はどんな答えを期待していたのだろうか?
「私が彼女になってあげるよ!」
いやいやいや、あり得ない。
本当に、ここからるなちゃんと付き合える流れの見えない、クソな発言だ。
しかし、そこはさすが、るなちゃんのコミュ力。
るなちゃん「え~、私の友達、紹介してあげようか?」
予想外の切り返し。
でも、僕は嬉しくなかった。
(るなちゃんが良いんだよっ!)
言えなかった。
ひろし「え、マジで?ぜひお願いするわ。」
るなちゃん「え~、高校生だけど大丈夫?」
ひろし「いや、むしろ女子高生なんて最高じゃん(笑)」
前半の発言はウソ、後半の発言は本当の気持ちだ。
るなちゃん「彼氏と別れたばっかりの子がいるから、今度聞いてみるよ。」
ひろし「おお、ありがとう!」
本当なら大喜びする話だ。
今の僕がこんな話を持ち掛けられたら・・・。 ※犯罪です
でも、このときは本当に嬉しくはなかった。
はぁ。。
何かうまくいかない。なんでこんなにヘタレなんだろう。
敗北感を抱えながら、僕は家路についた。。。
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空手女子高生るな(1):中二病
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